弊社は私の祖父 川口善也によって創業されました。
祖父は銀座の履物屋さんで修業させてもらい、その後、支援を受けぜん屋を創業しました。
祖父は関西の出身ですが、商売を学んだ銀座で店を持ちたい、という思いで銀座8丁目に本店を構える事になりました。
とても明るい人だったそうで、たくさんのお客様や友人に可愛がられぜん屋の基礎を築きました。
父 川口豊も大阪の出身です。
大阪から銀座に来てぜん屋を継ぐことになりました。
最初は土地の違いもあり戸惑いも多かったと聞いています。
その中で、オリジナル性の追求、誠実な商いをつきつめ、会社の根幹を固めます。
父からよく教えられたのは
「何屋だかわからない店構えにしてはいけない」
「商売をなめるな」
という事でした。
私が弊社に入社したのは平成で和装は衰退している時代でした。
様々な要因からお着物を着られる方は少なくなり、以前は出来た技術や素材もなくなりつつある状況でした。
そのような中で、跡を継がせてもらった私は何をしたら良いのだろうと日々考えておりました。
そんな時、ヒントをくれたのはお客様でした。
こういう草履が欲しい、こんなバッグを作りたいといろいろな事を教えて頂けました。
その希望に添う事ができた商品は、今では弊社にとって欠かせない代表商品のひとつとなりました。
草履やバッグは脇役です。
お着物をどれだけ素敵にひきたたせる事が出来るかという事が価値のひとつだと考えています。
だからこそ、その重要性は大きく、小物をしっかりと整える事でますます美しくお着物を着て頂ける。
その為にも、より素敵で楽しめる草履を作りたい。
そう思いながら、新しい商品、時代にあわせた工夫を追求しております。
お着物を着る機会が少なくなった今、いつかこの草履を履きたいから着物を着たいと思ってもらえるような商品がつくれたら私たちにとって、とても嬉しい事だと思っています。
これからもお客様に喜んで頂けるよう努力してまいります。
ぜん屋
川口彰久