ぜん屋のこだわり

ぜん屋のこだわり

草履の成形

古来草履は分業の業種である。
「渡邊秀男商店」は、そのすべて「ぜん屋」の商品を扱っている。
もちろん、ぜん屋カラーを踏まえた上で、その年の色やデザインなどが、ここで決定されていく。
創業者の渡邊秀男は、「ぜん屋」の創業者川口善也と絶妙に気が合い、美的感覚でも一致するものがあったと見えて、長年の付き合いになっている。

多種多様の材料から厳選

素材選び

同じ牛皮でも、皮の伸びる具合が部分により違うので、
花緒に向く部分や向かないなども考えて裁断される。

加工とこだわり

「ぜん屋」の草履を分解
特長のひとつである草履の本体とコルクに空いている穴は、
草履が軽くなるのと、履いて歩く時の反りが良くなるために加工されたものである。

コルク芯の加工

ぜん屋の草履の芯材は、すべて天然のコルクである。
近年は、人造コルクの草履も出回っているが、天然ものの十分の一ぐらいの持ちだ。天然のコルクは、天日で10日間くらい乾燥させる。
乾燥後、コルクの原材を用途の厚さにスライスし形を整える。

狂いが出ないように乾燥機に入れ、再び乾燥させる。

三十の工程

張り合わせて圧縮し、天芯(草履表の芯)をのせ、釘で仮止めをして天型に合わせ、余分な部分のコルクを糸鋸で削りとる。
細かなヤスリを貼った回転盤によって、表面を滑らかにする。
芯に花緒を通す為の穴を開ける。
コルク芯への工程だけで、三十工程を有に超える。

巻きと仕上げ

仕上げ人

コルク芯の加工者から皮を巻いて、仕上げをする技術者に移る。
現在、「ぜん屋」の仕上げは、草履製作者コンクールで一位を受賞したこともある柳堀昭夫によって行われている。
加工され仮留めされたコルクは、分解されて、更に芯の縁がヤスリで研がれ、滑らかにされる。
草履前先の皮がかさなる部分が段にならないように皮を小刀で漉く。

裏側に接着剤を塗った皮をコルク芯に巻いていく。

芯に巻き付けた皮がしわにならないように。
また、接着度を高めるためにクジリでしごく。

各段、台と底の糊の粘着力を増す為にコルク芯が重なる部分の皮の表面を草履製作用のカンナでむき取る。
各段を重ねた時に皮の厚みで生じる空洞を埋めるため、各段にコルクのスライスしたものを貼っていく。
接着剤を各段に塗ったあとエアープレス機にかけ台、表部分、底皮を圧着する。約二十工程を経て、仕上げが終わる。

花緒をすげる

お客様個々へのサービス

履物業は接客業である。お客様の足の様子で花緒はその場ですげる。
花緒も好きな色にかえる事ができる。最近、デパートなど専門店のない場所の品物は一般的なサイズに統一され販売されている。

最後に

花緒を回転釘で留め、前坪を調整して、花緒に通してある麻紐を後の穴に通し、しっかり結ぶ。力をこめるので手には麻紐で出来たタコが硬くなっている。
最後に手加減でお客様の足にぴったりあわせる。

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